慰謝料を釣り上げる
基本的に慰謝料は、入通院日数を基に算出します。そして保険会社では、入通院日数によって当てはめる計算式は異なりテーブル化されています。
保険会社の提示額の1割程度であれば簡単に上げる事が出来ます。これは、テーブルごとに異なりますが、慰謝料の総額に最大6割の上乗せがあるからです。同じテーブルに該当する症状でも状態は様々です。例えば、首が痛い人、腕が痛い人、足が痛い人。そのことによって日常生活に及ぼす不自由は様々です。要は、その事故での負傷部位によって、治療内容によって不自由、不安を感じたことを材料に慰謝料の基準を上げるのです。
例えば、「ギプスをしていた、杖をついていた、足が痛かった為通院も非常に大変だった。」「首や腕を負傷した為運転が出来ず通院も公共のものを利用した為大変だった。」「手術の不安、麻酔の不安、薬を服用する不安やリスクを強く感じた。」などは、慰謝料増額につながる具体的な理由になります。
少し極端な例を挙げてみましょう。ピアニストが交通事故で指を負傷したとします。休業損害補償は別としても、練習ができないことや今後のことなどピアニストでない人に比べてその精神的苦痛は大きいと認められやすいはずです。
はじめから保険会社のほうで慰謝料を上乗せして提示してくることもありますが、その時は、具体的に何を考慮して提示しているのか尋ね、考慮されている以外に上記のように具体的に苦痛や不自由に感じたことを理由づけてさらに増額するように交渉してください。
入通院日数が基準となる相場のなかで、症状や状態、そして感覚などによって、ある程度決められた範囲内ですが理由付けをしっかりとできればの慰謝料を増額することが可能です。人によって、不安に感じること不自由に感じることは違うのですから、あるていど幅があってとうぜんなのかもしれません。
何度も記しているように慰謝料とはあくまでも、精神的苦痛を与えたものに対する損害賠償なのです。 その精神的苦痛は当人にしか分からないことなのですから、その事故によってどれだけの精神的苦痛を受けたのかを具体的に説明して賠償のアップにつなげてください。
慰謝料を得るためには
誤解を恐れずに記してしまえば、慰謝料を多く請求するためにはまず、医療機関に通うことです。それが賠償を多く勝ち取る簡単な方法です。
当サイトでは、保険会社との示談について主に説明しているので任意保険基準での慰謝料を想定しています。弁護士会基準で慰謝料を請求するつもりがあるのであれば速やかに専門家に相談することをお勧めします。保険会社相手に、弁護士会基準で慰謝料を請求しても話は進まないはずです。
専門家に依頼するのであれば、相談料、着手金、成功に応じての報酬などかなりの費用がかかります。信頼して任せることが出来るのかしっかり判断して決めてください。専門家といえども、ビジネスですので、労力と報酬が見合わなかったり、単純にそれなりの報酬が見込めないのであれば丁重に断ってもらえるので参考にはなるとは思います。