過失割合はどう決まる?
交通事故の過失割合は過去の同じようなケースを参考に割り出したものを保険会社は提示してきます。要はあらかじめケースごとに相場は決まっているということです。そしてその相場の範囲内で状況を考慮しつつ調整するのです。
当然判例や過去のケースに照らし合わせても完全に同じケースの事故は存在しません。相場があるとはいえ、大体妥当とされる金額や方法が相場。大体妥当ということは、幅があることで、当然これという正解がありません。ならば、その相場内での最大値を獲得しようということです。
過失割合交渉のポイント
まず保険会社から過失割合があたかも決定事項のように告げられると思います。
例えば、35:65の過失割合が提示されたとしましょう。ここでポイントです。なぜ35:65なのか質問します。すると、こういった場合は過去のケースから判断して35:65であるという説明をしてきます。次に、具体的な説明を促します。
「こういった場合とはどういった場合ですか?状況はしっかりと把握されていると思うので、その35%の過失分がどのように発生しているのか教えてください。」 当然その35%の1%づつに意味があるのかといえば、あるはずがありません。
事故の詳細を知っているのは当事者ぐらいです。その後に来る警察であっても、当事者よりも正確な情報を得ることは出来ません。保険会社の担当者も書面でしか状況を把握できていないのです。
交通事故が起こっているということは、双方に過失があるにしても加害者側に事故を引き起こすだけの大きな落ち度があります。そういった点を、相手の示す過失割合の根拠を聞いてから訂正させればいいのです。
ただ単純に、提示された割合に対する具体的説明を求め根拠を示させるのも一つの手です。上記の通り事故状況を当事者より把握できているはずがないので、「そんな状況もまともに把握できていない方の提示するものに信用は出来ませんし納得できません。」というだけでも効果があります。こちらから具体的な話はせずに、相手に話をさせるよう心がけてください。そして相手の主張する根拠を崩していくのです。
担当者が考慮していないこちらに有利な材料を小出しにして自身の過失を段階的に減らしていけばいいのです。
冷静に相手の話を聞く
相手は、裁判になったときの費用を最大値として、こちらの要求と天秤にかけています。こちらの要求が相手の最悪のケースと想定された費用を越えなければいいのです。ですから相手もはじめから最大値を提示してくることはありません。
まず相手に話をさせること。そして、こちら側から具体的な数字を出さない。相手も仕事ですし、ほかにも案件を抱えています。細部まで状況を把握することは不可能です。もちろん必要な状況、情報は把握していますので馬鹿には出来ませんが、それも紙やデータベースで把握しているだけです。相手は確実にあなたより情報を持っていません。百聞は一見にしかず、情報を持っている者が勝つのです。一番状況を理解しているのはあなたなのですから、自然と突き所は見えてきます。
相手の話をよく聞き、重要だと思われる判断を迫られたときに、自分から具体的な数字を示さない。「100:0」でなければ納得できないとでも伝えておくのがよいのかもしれません。